「死ぬほど遠出する体力も時間も無いのだけど、動かないのも良くないので、何となく自転車で走り回った」
「それで?」
「近場でも走ったことが無い道、頻度の低い道ではけっこう発見があるのだよな。と思ってちょっと横に逸れた。そうしたら、どんぴしゃり、水路っぽいものを発見した」
「これ開渠じゃないか」
「そうだよ。水路の跡じゃない。水路が断片的に残存しているのだ。下水道台帳には載ってない」
「えー」
「場所はここ」
「前後はどこにつながっているんだい?」
「そこは不詳だ。ヒントを探して走り回ったが、南に行くと北沢川跡に出るだけで、委細は一切不明のまま」